2021.06.15 updated
2021.06.15 updated
新しい家電※を買ったとき、古い家電は電器屋さんが引き取ってくれますよね。
皆さんは長年使った家電がその後どうなるかご存知ですか?
電器屋さんが引き取った家電は、家電リサイクル法によって家電メーカーのもとに戻されてリサイクルされる仕組みになっています。リサイクルという言葉は身近ですが、実際に家電のどの部分が、どのように再び資源に生まれ変わっているのかをご紹介します。
※エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目
金属とプラスチックです。
金属は家電をミキサーのような大きな機械で粉々に破砕した後、金属の種類によって異なる特徴を利用して、破片になった家電の中から金属の種類ごとに集められていきます。
磁石を使って鉄を集める、色彩カメラで赤褐色のものを見極めて銅を仕分ける、などを行う選別機械によって主に鉄・銅・アルミに分別されます。集められた金属は精錬所へ運ばれて溶かされ、不純物を取り除いた上で成形され、新しい素材として生活の中に戻ってきます。
プラスチックをリサイクルする際に一番重要なことは、プラスチック以外の物質や異なる種類のプラスチックが混ざらないように回収することです。そのため、冷蔵庫の棚や洗濯機の水槽など、大きなプラスチック部品は機械に頼らず人の手で回収しています。
回収されたプラスチックは、洗浄後、劣化を補うための特別な処方をされて、バージン材(新品の素材だけが使われているもの)と同等の品質になるように改善加工されます。
一般的なリサイクルでは古紙からトイレットペーパー、ペットボトルから卵パックや洗剤詰め替え用のパウチなど、リサイクルする時の品質(劣化)レベルに応じた使い捨ての製品に生まれ変わることが多いですが、家電のプラスチックリサイクルでは再び家電に使われるように取り組んでいます。製造者である家電メーカーが自分たちでリサイクルをする目標として、同じ製品へ資源を循環させることがバージン材の新規使用量を減らして環境にやさしいものづくりにつながると考えているからです。
皆さんが使わなくなった家電は再び家電の一部となって身近に戻ってきています。
2001年から始まった家電リサイクルですが、既にプラスチックが3回リサイクルされていることもあるんですよ。
石油の枯渇や金属採掘のための環境汚染が話題になるこの時代では、今生活の中に溶け込んでいる資源を有効活用することが未来につながります。
全国にある家電リサイクル工場では、さまざまな技術を用いて皆さんの思い入れのある家電を素材ごとに分別しています。実際に家電が分解されている様子を見学できる工場もありますので、ぜひ工場見学にも足をお運びください※。
※状況により、見学の受け入れを休止している場合があります。詳しくは各工場のHPをご覧ください。