家電リサイクル制度とは

制度の[背景と目的]

制度の[背景と目的]

家電リサイクル法は、 家庭や事業所から排出される
廃家電の収集・リサイクルを
適正かつ円滑に実施するためのリサイクルシステムを確立し、
廃棄物の適正な処理および
資源の有効な利用の確保を図ることで、
生活環境の保全および国民経済の健全な発展に
寄与することを目的として制定されました。

家電リサイクル法の本格施行以前、
一般家庭から排出される廃家電の多くは
一部の金属部品は回収されていたものの、
最終的に埋立てに回っていました。

とりわけ埋立処分場の行き詰まりは、
当時何らかの対策を講ずるべき喫緊の課題とされていました。

こうして廃棄物の減量と有用な部品・素材のリサイクルを図り、
循環型社会の実現を目指すため、
廃家電のリサイクルを促進する新たな仕組みである
家電リサイクル法が1998年5月に国会にて成立し、
同年6月に公布、2001年4月より本格施行されました。

1990年代まで使用済み家電が多く埋立てられていた処分場

1990年代まで使用済み家電が多く埋立てられていた処分場

家電製品に含まれる多くの資源も埋立てに

家電製品に含まれる多くの資源も埋立てに

対象機器と再商品化等基準

家電リサイクル法の対象機器は、 家電製品を中心とする家庭用機器のうち、政令により、図1の4品目に指定されており、総称して「家電4品目」と呼ばれています。

(家電4品目の詳しい対象範囲は、家電リサイクル券センターWEBサイト[対象廃棄物一覧]ページからご覧いただけます)

家電4品目(家電リサイクル法の主な対象品目)

(図1)

家電リサイクル法では、 家電製品の製造業者および輸入業者が廃家電4品目のリサイクルを行うことを義務付けており、このリサイクルを 「再商品化等」と定義しています。

再商品化等とは、 具体的には以下の二つを合わせたものです。

再商品化等基準の見直し

(図2)

①再商品化(マテリアル・リサイクル)

廃家電4品目から部品および材料を分離し、再び製品の部品や原材料として利用すること、または製品の部品や原材料として有償・無償で譲渡できる状態にすること

②熱回収(サーマル・リサイクル)

廃家電4品目から分離した部品および材料を焼却する際に発生する熱エネルギーを利用すること、またはその熱エネルギーを有償・無償で譲渡できる状態にすること

(※①②の 「譲渡」には、自ら費用を支払って引き渡す 「逆有償」は含まれません)

家電製品の製造業者・輸入業者には「 再商品化基準」として一定以上の再商品化率(=再商品化できたものの量/処理する廃家電4品目の重量)を達成することが求められています。

(熱回収は再商品化基準に含まれないため、再商品化のみで達成する必要があります)

再商品化等基準は、合同会合での検討により、図2のように見直しが行われてきています。

家電リサイクル法で定められた[役割]

家電リサイクル法では、家電4品目に関わる全ての人に対して次のような役割があることを定めています。

[関係者をクリックすると、それぞれの役割が表示されます]
適切な引渡し

排出者は、家電4品目をなるべく長期間使用することで排出を抑制するとともに、廃棄する場合は、そのリサイクルが確実に行われるように小売業者等に適正に引き渡す責務があります。

リサイクルに必要な料金の支払い

排出者は、 収集・運搬料金とリサイクル料金を支払う責務があります。

引取義務

小売業者は、排出者から自らが過去に販売した家電4品目の引取りを求められたとき、または買換えに際して同種の家電4品目の引取りを求められたときは、排出者が引渡しを希望する場所(排出者の自宅等)で引き取る義務があります。

引渡義務

小売業者は、排出者から家電4品目を引き取ったときは、自ら再使用する場合、および再使用もしくは販売しようとする者に有償または無償で譲渡する場合を除き、指定引取場所において製造業者等(存在しない場合や不明な場合は指定法人)に引き渡す義務があります。

収集・運搬料金の公表

小売業者は、収集・運搬料金をあらかじめ設定し、店頭等で公表する義務があります。なお収集・運搬料金は、廃家電4品目の収集・運搬を能率よく行った場合の適正な原価を勘案しつつ、排出者の適正な排出を妨げることのないよう配慮して設定しなければなりません。また収集・運搬料金やリサイクル料金の問合せがあった場合には、これに応答する義務があります。

家電リサイクル券の発行と管理

小売業者は、排出者から廃家電4品目を引き取る際に管理票(家電リサイクル券)を発行し、排出者に控えを交付します。
また指定引取場所にて製造業者等から回付を受けた家電リサイクル券は3年間保存し、排出者から閲覧を求められた場合は、 これに応じる義務があります。

引取義務

製造業者等は、指定引取場所において自らが製造等を行った家電4品目について引取りを求められた場合は、これを引き取る義務があります。

再商品化等実施義務

製造業者等は、引き取った廃家電4品目について遅滞なくリサイクルを行う義務があります。また、その際には廃家電に含まれる冷媒フロンおよび断熱材フロンの回収・再利用・破壊を行うことも義務付けられています。なお、リサイクルは定められた再商品化等基準に従って実施する必要があります。

リサイクル料金の公表

製造業者等は、リサイクル料金をあらかじめ設定し、公表する義務があります。なおリサイクル料金は、リサイクルを能率よく行った場合の適正な原価を上回らないように、かつ排出者の適正な排出を妨げることのないよう配慮して設定する必要があります。

指定引取場所の適正配置

製造業者等は、地理的条件や交通事情、自らが製造等した家電4品目の販売状況、その他の条件を勘案しつつ、廃家電4品目の能率的なリサイクルや小売業者等からの円滑な引取りができるよう、指定引取場所を適正に配置する義務があります。

家電リサイクル券の回付と保存

製造業者等は、 指定引取場所において小売業者から廃家電 4品目を引き取るときは、 小売業者から交付を受けた家電リサイクル券に受領印を押印の上、小売業者に回付するとともに、券の控えを3年間保存する義務があります。

家電リサイクル法履行状況の確認と指導

国は、家電リサイクル法に基づき、小売業者や製造業者等の家電リサイクル法の義務履行状況を確認し、その状況に応じて必要な周知や指導、もしくは処分を行う責務があります。

家電リサイクルに関する情報提供と普及啓発

国は、消費者などへの家電リサイクルに関する情報の提供や普及啓発への取組を行う責務があります。

住民に対する情報提供と普及啓発

地方公共団体は、住民に対する廃家電4品目の適正な排出やリサイクルに関する情報提供、および広報活動等を通じた住民理解の増進に努める責務があります。

廃家電4品目の収集とリサイクル

地方公共団体は、小売業者に引取義務が課せられていない廃家電4品目について、回収体制を構築することが求められています。なお自ら収集した廃家電4品目は、廃棄物処理法に基づいて自らリサイクルを行うほか、製造業者等に引き渡して処分することが認められています。

違法回収や不法投棄防止への取組

地方公共団体は、違法な不用品回収業者の取締りや不法投棄防止に向けた取組を行うことが求められています。

  • 家電を処分する[排出者]消費者または事業者
  • 家電を売る[小売業者]
  • 家電を製造・輸入する[製造業者等]
  • 国[経済産業省/環境省]
  • 地方公共団体[都道府県/市区町村]

家電リサイクルを支える[仕組み]

家電リサイクルは、以下のような仕組みによって支えられています。

家電を処分する[排出者]消費者または事業者 家電を売る[小売業者] 国[経済産業省/環境省] 家電を製造・輸入する[製造業者等] 地方公共団体[都道府県/市区町村]
家電を処分する[排出者]消費者または事業者 家電を売る[小売業者] 国[経済産業省/環境省] 家電を製造・輸入する[製造業者等] 地方公共団体[都道府県/市区町村]